イタズラ好きなズート
相澤 榮(オクテット・マスター)
ZOOTSIMSの来口公演は5度だったと思いますが、その内3度山形公演を行った時の衷話です。
1977年、最初の山形公演の峙は秋田行きの特急列車で入った。停車時間の間に楽器や荷物を搬出せねばならないマネージャーがフラフラなのである。聞けば、移動中にボトルを2本空にするという酒豪に付き合わされた末に下車でした。ミュージシャン木人達は陽気な普通の人です。
翌年、アル・コーンとの来日時も同様で、慣れてこちらのオドロキは半分になったが、中身が濃いイタズラとジョークは増すばかりでした。
3度目の山形公演はズートの手術や治療があり1980年代に入ってからだった。メンバーはシェリー・マン、ハリー・エジソン、マイク・ウォフォード等で、ゲストに峰純子(Vo)が加わったコンサートでした。
列車内での子供のようなイタズラはシェリー・マンの参加で増幅し、下車してからもホテル・本番・アフターまで続くんです。楽器・荷物を隠す、別の場所に移す、大変なんです。その分演奏は最高に盛り上がるんですね。この時のズートはアルコールを絶っていてコーヒーでしたが、あのイタズラ・ジョークはアルコールの時と変わりませんでした。
人間味溢れる庶民的だったZOOTは演奏と共に親近感はスーツと続いている訳です。